| 虎ノ門
きや |
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ビジネスマンが闊歩する虎ノ門の交差点を新橋方向に歩いて一つ目の角を右折すると、左前方に「きや」の看板が目に留まる。付近のOLと思われる若い女性が入れ替わり立ち代わり店を訪れ、通り掛かりの中年の男性は「ここのあられは美味しいんだ」と同僚に教える。「虎ノ門きや」は官庁街御用達のおかき・あられの名店である。社長の森田徹さん(58歳)は2代目。父親の哲次さん(84歳)が戦後興した店の看板を大切に守り続けてきた。「選りをお届けしたい」と穏やかに語る森田さんは、とにかく品質にこだわりを持つ。もち米から作る米菓をおかき・あられと言うが、材料のもち米は有機栽培で、しかも最高級と評判の宮城産「みやこがね」。醤油は国産丸大豆。化学調味料は一切使用せず、鰹やしいたけの味を生かしている。草加せんべいは天日で2週間かけてじっくりと干し、炭火で焼き上げる。海苔すぐりの材料を使い、健康にもよく、美味しい米菓も職人が手で一つ一つ巻くという。「こうして手間を掛けると、口に入れた時に味も歯応えも違うのですよ」と、店を切り盛りする夫人の真佐子さんがにこやかに語った。一番の売れ筋は「江戸おかき」。一袋で黒のり、昆布、イカ、海老、抹茶、黒胡麻、醤油の味が楽しめる。どのおかきも山の手好みの上品な、あっさりとした味である。伝統的な味にこだわる一方、チーズを使った洋風のおかきをはじめ、新しい商品企画にも余念がない森田さん。健康志向を意識して作った「発芽玄米有機揚げ」は、玄米の素朴な味と歯応えが絶妙で特に売れ行きがいい。季節ごとのオリジナルおかきやせんべいも人気が高い。かつて近隣に3軒あった米菓店も今は「きや」が残るばかり。一方で、関西の大手メーカーが虎ノ門に出店するなど、街の地図には大きな変化が見られる。だが、森田さんには支店を出したり、店を拡張する気はないという。「対面販売を基本として、自分の目の届く範囲で、信頼される店を続けたいと思っています」店で働く人の応対も行き届いていて、顧客からの評判も高い。
●虎ノ門 きや
●港区虎ノ門1-8-16
●TEL 03-3501-9148 FAX 03-3507-8940
●営業時間: 9:00〜19:00
●土・日・祝日休 |
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