和菓子
 
文銭堂本舗  
   
手作りにこだわりおしさを真心こめてつくる店JR新橋駅前のからす森通 りを日比谷通り方向に歩いて3分。御菓子司の文銭堂本舗は、昭和23年にこの地に店を構えて以来、手作りの和菓子の店として高い評価を得てきた。創業者の田口邦夫社長(78歳)は戦後まもなく、出身地の埼玉 でとれた小豆と蜂蜜を使って新橋の露店でお汁粉を売りはじめた。これが爆発的に売れて、店舗を借りる資金を作った。腕のよい職人を雇い、今度は銀座・新橋の料亭向けにどら焼きを販売。これがまた好評を得た。田口さんは新橋で商売を始めてわずか2年間で今の土地を手に入れ、文銭堂を開いた。よい材料と手作りへのこだわり、研究熱心さとアイデアで客の心をつかんだ商売の姿勢は、今も健在だ。ガラス越しに見える店内は、常に客でにぎわっている。試食をしながら商品を吟味する客と、お茶を振る舞い、きびきびと対応する店員の姿を見ていると、どんな菓子があるのか、ついのぞいてみたくなる。文銭堂の品揃えはオリジナルの和菓子が250種類以上、季節に応じて約50種類を調製している。季節感溢れる、見た目も美しい上生菓子は、お茶会の菓子としてもよく注文を受ける。文銭堂本舗開店からの銘菓は「文銭最中」。寛文年間(1661-73)京都方廣寺の大仏をつぶして作られ、無病息災のお守りとして大切にされた寛永通 寳(文銭)をかたどった最中で、発売当時は新橋芸者が「縁起がいい」と、列をなして買ってくれたそうだ。他に「汽笛一声」や「学問のすすめ」という自分であんを付けて食べる最中にもファンがいる。最中にこだわるのは、あんとパリッとした米の皮というシンプルな菓子こそ御菓子司の実力が分かるからだという。文銭堂本舗のあんは、舌触りをよくするために小豆の外皮をわざわざむいて作る白っぽいあんの色とサラッとした上品な味が特徴だ。そのあんを職人が木べらで一つ一つ皮に付けていく。「機械のノズルから出すのと手で付けたのでは、あんの固さが微妙に違いますから」と、同席した専務で後継者の雅章さん(46歳)がさりげなく言葉を添えた。父の仕事への取り組みを息子が当たり前のように受け継いでいる数少ない名店である。
 


●文銭堂本舗
●港区新橋3-6-14
●TEL 03-3591-4441
 FAX 03-3506-8928
●営業時間 平日9:00〜20:00 土9:00〜15:00
●日・祝日定休
 

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