瀬戸内の新鮮な魚介類を広島より毎日空輸新橋交差点から、霞ヶ関方向に向かって外堀通
り沿いの左手に立つ「安芸路酔心」。巨大な陶板アートで覆われたビルに、黄色い縦長の看板が目を引く。本店は広島にある「釜飯 酔心本店」。チヌ鯛やメバルなど瀬戸内海の新鮮な小魚と釜飯をメニューの前面
に押し出し、アットホームな雰囲気の中で、家族で来てもらえるような店を目指す同店は、地元ばかりでなく、県外のビジネス客にも評判になった。東京にも店を出して欲しいという熱心な客の要望に応え、この地に「安芸路 酔心」をオープンしたのが昭和40年。以来、広島を中心に瀬戸内海でとれる新鮮な旬の魚介類を毎日空輸し、その日にお客に出している。人気の小魚に加えて、これからの季節はなんといってもフグとカキがお薦め。最近は夏ガキもあれば、海外のカキも輸入されており、年中通
してカキを店の看板メニューにすることもできそうだが、同店は広島産のみのカキをつかう。また夏にはカキ料理を出さない。フグも自慢で、コース・単品どちらでも楽しんでもらえるようにメニューにバリエーションを持たせている。「私どもの経営方針の基本は,お客様が喜んでくださることです。本当に美味しいカキを味わってもらうために、値段は張っても広島産にこだわっています」と語る社長の原田英文さん(52歳)は、広島の出身。言葉の端々に郷土の味を知らせたいという気概が感じられる。日本酒はお馴染み広島の名酒「酔心」、器は広島の宮島焼をメインに使うなど、料理以外にもこだわりをうかがわせる。現在東京に5店舗、全国で13店舗、従業員約500人を有する企業に成長したが、いつまでも地元の人に愛される、家庭的な店であることが店のポリシー。社長自らはっぴを着て店頭に立ち、お客にお茶をつぎ、社員は朝、通
りの掃除から仕事を始める。日曜日以外は祝日も関係なく営業。昼と夜の間の休憩時間もない。平日はビジネスマンが客の大半を占めるが、土曜日になると平日のお得意さんが家族を連れて訪れることも多いという。接待からプライベートな用途にまで使える貴重な店だ。
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