石臼を使って自家製粉。徹底したこだわりのそば
 

蕎麦処 利庵

 

   
 風情のある日本家屋の店構えである。おしゃれな町並みにかわりつつある白金台でその昔ながらの佇まいはかえって人目を引く。店内は明るすぎず暗すぎず、どっしりとした厚みの木のテーブルや椅子が心地よい。カウンターの前には深い木の色と黒の大ぶりな蝶つがいが特徴的な仙台家具。ご主人の趣味だそうだが、もともとこの近所で八百屋を営んでいたという変わった経歴の持ち主。30歳で一念発起、八百屋は他の兄弟にまかせて、そばの修行を始めた。3年ほど修行した後、野菜置き場だったこの家を改造して念願の店をもつ。今年で開店して15年目。
 細目が特徴のそばは2・8、そば粉8に対して小麦粉2の割合でつくられる。この比率がそばのつるりとした感触と程よい歯ごたえを生み出すという。そばは全て自家製粉。なんと3台もの石臼を使って挽いている。そば粉が挽きたてかどうかで味に大きな違いが出てくるので、ここは勝負どころ。前日に使う分だけ石臼を回すからこそこの味が出てくるのだ。つゆは国産の昆布と鰹節を使い、香り高い味わい。そばを盛るうつわはすべて輪島の漆塗りで、そば猪口など陶器類もご主人自ら探し出すというこだわりよう。
 ふわりと甘いだし巻やわらびもちもおすすめ。わらびもちは、くず粉ではなくきちんとわらび粉100%。近ごろではわらび粉などなかなか手に入らないので珍しい一品。口に入れると溶けるほどやわらかく、このとろりとした独特な感触はどこででも味わえるものではない。
 とにかく「こだわれないのは水くらい」というほど徹底したこだわりの店。行列の出来る店としても有名なので、並びたくない人は午後3時頃がねらい目。せいろ700円。だし巻750円。わらびもち500円。
 
 
 
 

利庵
港区白金台5-17-2
TEL 03-3444-1741
営業時間 11:30〜19:30
定休日:月・火(但し祭日・振替休日は営業して翌日休業)

 

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