寿司とはこういうものだ! 先代から引きついだ寿司そのものの味
 

寿司割烹むらい

 

   
 ペルーの日本大使館が暴徒に占領された事件があった。ようやく開放された青木大使が「寿司と鰻と蕎麦が食べたい」と言っていたけれど、実はあれは「むらいの寿司」のことだったらしい。「青木大使はうちの常連さんでね。事件の後、そう言っていただいたんですよ」そう言って、おかみさんはからからと笑う。
 そもそも先代の村井時次郎さんは、戦前の駐米特命全権大使、野村吉三郎お付きの板前さんだったというから、大使が常連だからといって驚くこともないだろう。確かに「むらい」の寿司は「寿司とはこういうものだ」と各国の要人に伝えたくなるような、そんな味がする。
 とはいえ、店はいたって気さくな雰囲気だ。先代は12年前に亡くなったが、妻の京子さん、息子の時男さん、真次郎さん、二人の奥さんの祐子さんと春美さんの村井一家が店をきりもりする、文字通りの「アットホーム」である。値段のほうもランチタイムはにぎり、ちらしともに800円から。宴会用にはいろいろなコースプランが用意されており、8000円予算プランもあるので、気楽に本格的な寿司、料理を楽しめる。「カウンターでおまかせにするなら、だいたい1万円から1万5千円くらいですが、先に予算を言っていただけるといいでしょう」と真次郎さん。
 季節ごと、日ごとでメニューは変わる。時男さんが毎日、築地に足を運んで見定める魚が寿司はもちろん煮物、焼き物、一品料理となって並ぶわけだ。お薦めは穴子の白焼きどんこ(しいたけ)焼き、ホタテの磯部焼き、ゲソ焼きだとか。
 職人気質の先代から息子達が受け継いだのは、技術というより寿司の味そのものなのだろう。「むらい」の鮪のなかおちを食べたら、他では食べられないと言う客もいるそうだ。口の中でふわっととろける舌触りはまさに絶品、驚くほど魚が軽やかで、甘い。
 
 
 
 

寿司割烹むらい
港区芝5-1-3
TEL 03-3451-6772
営業時間 11:30〜14:00、17:00〜21:30


 

Copyright (C) 2000 芝法人会. All Rights Reserved.