「チャンコ」という名は、江戸初期に長崎に伝わった板金製の浅いシナ鍋「さん鍋(長崎の方言でちゃんこと呼ぶ)」に由来する。さん鍋を使えば、なんでもチャンコ料理になるわけだから、一口にチャンコといっても味は様々。具やタレも千差万別である。そんな中、もと「出羽の海部屋」の力士であった「両国」の創業主が考案したのは、醤油や味噌で具を煮込むのではなく、鍋の真ん中に湯煎にかけて置いたタレをつけて食べるという独特の手法だ。このタレは生醤油に鰹節と青海苔を中心に各種の調味料を加えて調合されているが、時間をかけて食べ進むうちに微妙な変化をもたらす濃厚な味になってくる。その秘密は鰹節の削り方にあり、8種の鰹節を粉状から厚い削り節まで4段階に分けたものを使用しているところにある。専務取締役の大場富美夫氏によると「最初に粉状のダシが溶け出すことにより、鳥肉や豚肉などの旨味を引き立てるさっぱり味が、次に薄い削りのダシが溶けだして野菜にあった風味に、最後には全てのダシが熟成し、カキの旨味とマッチしていくというように、素材それぞれの持ち味を最大に生かすために考えられた手法です。雑炊まで1時間以上かけて食べても味に飽きるということがありません」と言う。こうした食べ方をするとチャンコ料理の奥は意外と深い。福島から無菌豚を、仙台から南部地鳥を産地直送で仕入れ、豆腐は赤坂の高級料亭でも使われている希少な豆腐を用いるなど素材へのこだわりも尽きない。
また「旨い料理に合う酒を」と八海山、久保田、〆張鶴を中心に日本全国の銘酒を200種以上も取り揃えるなど「日本銘酒百選」に名を連ねる店でもある。各地の蔵元を年2回訪ねて出来を吟味する研究ぶり。「チャンコ料理はアメリカのダンサーも注目した消化のよいスタミナ料理なので、冬だけでなく、胃腸の弱る夏場にも美味しいお酒とともに召し上がっていただきたいですね」と、研究熱心な大場氏の語るとおり、体が喜ぶ酒とチャンコの醍醐味を存分に味わえる店である。
|
|
|
| |
|
|
|
|
| |
| |
ちゃんこ料理 割烹 両国
港区新橋2-12-8
TEL 03-3591-2717
営業時間 11:30〜13:00/17:00〜23:00
定休日 日曜、祝日
|
|
|
|
|